錯覚

錯覚、なのだと思う。ただ、錯覚だとしても大切だと思う。錯覚だから、大切なのかもしれない。何かを変えるほどの力も持たないし、そういう類のものでもないのだけれど、嘘や幻というわけでもない。

 

僕自身が確信していたとしても、それはとても個人的なもので、むしろ孤独の拠りどころなので、誰も、僕自身すら触れることができない。

喜ばしいことなのか、悲しいことなのか、気を紛らわせているうちに、するすると指の間からこぼれ落ちていくようなところもある。

 

乱暴に扱ってしまうというのも、少し違うように思う。愛しいという感情は、そういうものなのかなと思う。