弱さ

どちらかというと、そうありたいと願っているだけかもしれないけれど、自身の中に弱さを見つけるたびに、少しだけ優しくなれたり、強くなれたりするのではないかと思う。

もちろん、すぐにそうなれるわけではないけれど、弱いこと、敗けることを強さに変えていくというのは大切だと思う。人は、少なくとも僕は強くあり続けることも、勝ち続けることも、それを強く望み続けることもできないから。

 

勝つために大切なことは、必ず勝つ時にのみ戦うことだという。勝たずに戦えば、敗けてしまう。しかし、戦い続ける限り、人は敗ける。霞を食べて生きていけるなら別だけれど、何もしないというわけにも、なかなかいかない。

生きようとすることが、死ぬことを見つけることであるように、勝とうとすることは、敗けることを見つけることだと思う。どうすれば無様に死なずに済むのか、無様に敗けずに済むのか。死に向き合うこと、敗北に向き合うこと、弱さに向き合うこと、そして、それから逃げないことでしか、生きる道も勝てる術も見つからないのではないかと思う。

 

「柔、よく剛を制す」とか、「柳に雪折れなし」とか、そんなことを教えてくれている言葉はいくらでもあると思うけれど、結局は人間は弱いということが、根底にあるのではないかと思う。

弱さを知って、強くなりたいと思う。そして、できる限り、優しくなりたいと思う。