あらゆるものは繋がって循環していると思うのだけれど、一方で、個人という意味では、何も無いところから生まれて、何も無いところへ帰っていく。
僕らの存在は記憶によって構築される。それは、存在の本質は孤独であって、孤独であることが尊厳であるということだと思う。
世界は確かに存在するけれど、同時にそれは幻想であって、それを定義づけるのは自身の孤独でなければならないと僕は思う。孤独であることが、最後の希望である。
もちろん、ある瞬間によっては、幻想の癒しが必要ということはある。生きている今日があまりにも辛いということはあるし、繋がることによって歩み出せるということも多い。ただ、そこには尊厳が残されていなければならないと思う。
優しさであったり、巧みさであったりというものは、危険だと思う。悪魔が優しいというだけではなく、優しさが悪魔になる。優しさを悪魔にするのは、自分自身である。
人は1人では生きていけないし、幻想というのは陥りやすいからこその幻想である(人は、自身が陥る場所を幻想とするのだから)。尊厳ある優しさということは難しいけれど、そういう生き方ができるようになると良いなと思う。