規範

周囲に規範があった方が幸せか、無い方が幸せか、というのは状況に依ると思う。規範の強さにも依っていて、非常に強い規範に対して屈しないということは人間には難しいので、それが救いになることもあれば、規範が人を押し潰すということもある。

 

強すぎる規範は人を潰したり、少なくとも思考力を奪う。一方で、規範がなければ不安が強く、人は生きていけないように思う。個人的には、強すぎない規範が人にとって、組織にとって、良いのではないかと思う。

例えば、僕が中学生の頃、自身の生に対する不安を紛らわせることができた1つの側面は、「とりあえず、学校の勉強はある」ということだったと思う。意味はわからなくても、そこにある。一方で、いわゆる進学校に通っていたら、勉強という規範が強すぎて、それに身を委ねてしまっていたかもしれないと思う。勉強は規範であり、僕の人生それ自体ではないのに、規範に人生を乗っ取られてしまう。

 

規範には一定の合理性がある。ある意味で、サボらせてくれる。ただ、サボりすぎると、何が最初にあったのかを見失ってしまうと思う。

合理的なところは利用して、自分自身の問題への問いや思考を深める。そういう規範が理想的なのではないかなと思ったりする。そういう風に規範を選べるのなら幸せなのかもしれないが、規範を選択するということが、人間の理性・知性において可能なのかは、それなりに難しい問題であるとも思う。