信じるということ、殊に、自分を心から信じるということは大切だけれど難しいことだと思う。
むやみに信じるのではなくて、心から信じるためには、それだけ深く自分のことを知らないといけないし、容易に惑わないような試行錯誤、思索によって、他者を受け入れながら、自らに依って立つ必要がある。
何が自分にとって大切であるのかを、なるべくクリアに、シャープに、1点に見つめて、それに身を投じながらも盲目的でない。そういう態度を持てるようになると良いなと思う。
人は簡単に、自分を見失ってしまうものだと思う。批判であったり、称賛であったり、もっと具体的に賞罰や報酬の多寡といったものによって、人の心は容易に惑ってしまう。いろいろなものが無意味で下らないと感じたり、逆に執着を覚えたりして、外のものに惑わされてしまう。現実に対処しながら、自分が大切だと思うもの、信じているものを見失わずに、いきいきと思考して行動するというのは、かなり意識しないと忘れ去られてしまう。
実際のところは、何を信じてよいのかはわからなくて、でも、何か尊いもの、信じてみてもよいと思えるものを探し続けていくことが大切なのではないかと思う。信じた瞬間に、やっぱりそれは嘘になるから、信じないということを大切にしながら…。
ものすごく抽象的な話になってしまうし、正確に表現できないもどかしさが強いけれど、意識や気持ちの中に探究するエネルギー、もっと先を見てみようという想い、届かないけれど「真実」と呼べる何かを、つまらないものの中に見出していこうとし続けられないなら、先は短いように感じる。