組織と人と

あまりにも陳腐な話なのだが、「組織に合わせて、人を配するか」「人に合わせて、組織を配するか」という考え方があるとする。組織とミッションが先にあって、それに人を当てはめることを通じて、人を活かすか。人を活かすために組織やそのミッションを調整するか。

当然、どちらか一方では成立せず、双方の視点からチューニングをかけていく必要があると思うのだが、いずれを主軸に置くかはスタンスとして持っておいた方が良いように思う。

 

当たり前だけれど、組織から見ると「組織に合わせる」ということになる。人から見ると「人に合わせる」ということになる。組織には人が必要(というよりも、人が集まったものが組織)である一方で、人が1人でできることは本当に限られて、寂しさを紛らわせるという効用も含めて、人は組織を必要とすると思う。

一体であるにも関わらず、そこにコンフリクトがあるというのは面白いと思う。ただ、そういった構造は1人の個人の中にも存在するのだから、組織に存在することを不思議に思う必要はないだろう。

 

個人として人間がそれをどう解消しているかというと、「なんとなく」だと思う。体調が悪いと休もうと思うが、食べ過ぎたり、飲み過ぎたりもする。夜更かしもしてしまう。

友人や恋人がいるとして、一緒にいたいと思う気持ちと、面倒だと思う気持ちもある。そういったものを、僕たちは「なんとなく」やり過ごしている。

 

僕が僕を考えることと、僕が組織を考えることの違いはパッと思いつくところで3点。1つ目は「僕はなんとなく僕に対して主体性を持っている気になっている」こと。2つ目は「僕は僕から離れらない気がしているが、組織からは離れられる気がしている」ということ。3つ目は、「僕の目的は曖昧な気がするが、組織の目的は明確に決まっているような、そうあるべきな気がする」こと。

ただ、それが構造を覆すほどの違いを持っているのかはよくわかならないなと思う。「なんとなく」でも、昨日より今日、一歩くらい踏み出している。そんな感じのような気もする。