スタンス

極端は好ましくないという前提の下で、お金は割と大切だと僕は思っている。非常に扱いやすいのが良いところだと思う。

詳細な議論は尽くしきれないので置いておくとして、お金があれば一定は納得感がある。また、「人格で解決」したり、「人間関係で解決」するのは難しい気がするが、「金銭で解決」というのはそこまでの技術を必要としない感じがする。たぶん、高度に代替可能であること、非人格的であることが関係しているのだと思う。

 

人間が如何なる存在か。何に拠って動くのか。「お金で動く」と考えるのは、言い換えると人間の性質の核に「利」を置く考え方だと思う。

人間を非常に自然的な存在(玄徳)と捉えるといわゆる無知の治、「無」ということになる。そこから人間として磨くべき人格(明徳)みたいなものを見出すと「徳」。さらに、社会の形成に紐付けて調和を愛するようになると「礼」。社会の調和にルールの必要性を見出すと「法」となる。もちろん、他にもいろいろな考え方があるだろう。

 

なるべく治めないというのも、徳(人格)によって治めるというのも、礼(調和)によって治めるというのも、法によって治めるというのも、利によって治めるというのも、スタンスの問題、もっと言うと好みの問題だと思う。

利や法はわかりやすい一方、少し概念化され過ぎているので、「お金と幸せは相関しない」みたいな議論も起きやすい印象がある。人間はなかなか厳密には生きられないので、スタンスの1つとして、有用性を理解しておくのが良いのかなと個人的には思う。