クレープ

家のほど近くに、マンションの1階のごく狭いスペースで営業しているクレープ屋さんがある。入り組んだエントランス付近にあるお店で、知っている人以外は見つけづらいだろう場所にあり、午後から夕方の時間帯に女性が(おそらく)1人で経営していて、僕は月に1回行くか、行かないかくらいで訪れる。

生地は普通においしくて、クリームも甘さ控えめで食べやすい。印象としては軽くて食べやすく、個人的には良いお店だと思う。ただ、何か特色があるかというと、メニューや使っている具材はごく普通で(だからこそ、良いのかもしれない)、価格は500円前後。近くに大学があるので、学生の人たちが立ち寄っていることもある。

 

「1日にどれくらい売れていて、お店を維持できるくらいの売上はあるのかな」とか、「午後しか営業していないということは、別の仕事もしているのかな」とか、「そもそも、なぜクレープ屋さんなんだろう」とか、そういうことを思ってしまうのは、我ながら愚かだなと思うのだけれど、つい、そういうことを思ってしまう。

そんなことは余計なお世話だし、僕の価値観でしか物事を捉えられていないことを露呈しているだけだろう。僕としては、お店があると、クレープを食べることができてありがたい、という以上のことはない。そもそも、世の中のほとんどのクレープ屋さんについて、僕は何も知らないし、クレープ屋さんに限らず、そうである。

 

もちろん、僕が住んでいる地域にはスイーツ屋さんがほとんどないので、地理上のメリットもあるだろうし、商品やサービスに工夫もあると思う。ただ、僕がそうやって、あの場所で、クレープ屋さんを始められるかというと、そう簡単ではないと思う。

それは僕にとっては、羨望に近いと思う。