人間に限らず、生物においては、種の保存に成功したものが現在も存在している。別に、種の保存が生物の目的だという主張ではなくて、単に現象として残ることに成功しているから残っているのだろう、という意味で。
これは任天堂の社長だった岩田聡さんのアイデアだが、残ることに成功したということは、すごく一面的には、うまく他者を出し抜いたというか、「わたしはあなたより優れています」というプレゼンテーションを上手にできたということだろう。
それが優越感という形で表現されるか、劣等感という形で表現されるかは時々だが、人間というのはアピールしたいような性質を自然に獲得しているということだと思う。
ちなみに、劣等感という表現形式は、知能からくるのか、集団という競争戦略からくるのかはわからないが、なんとなく人間において顕著という気がする。人間の生存は基本的には集団が前提なので(個では他の生物にすぐに滅ぼされてしまうため)、アピールして、役割や意義を生じさせるのかもしれない。
人というのはなにかしら得意なことがあって、それに取り組んでいる時が輝いていて、そして、アピール好きなものだろう。ただ、個人的には自分のアピール好きなところには嫌悪感を抱くし、気分の悪いアピールを見るのは苦手だと感じる。
そういうものだと思っていても、僕の場合はそういうネガティブな感情が生じてしまう。しかし、アピールせずに生きていくのはやっぱり難しい。なるべく気分良く生きられるような在り方であれると良いなと思う。