均衡点

僕たちが今、そうだと感じていることは、基本的には現時点での均衡だと思う。人間関係にしても、ビジネスの競争優位(あるいは劣位)にしても、世の中の価値観にしても、国際政治にしても、様々なバランスによって、今の状態(均衡点)のあたりになんとなく落ち着いているというものに過ぎない。

 

均衡には一定の必然性があって、それが成立している条件、それがもたらしている効用、それが及ぶ範囲などは常に考えておくべきテーマだと、僕は思っている。それは日々を楽しむために大切な知恵だと思う。

均衡は当然、移行する。例えば、あと10億年すれば、太陽は明るくなり、海が蒸発して今の生物は地球上には住めなくなる(もう少し正確には、太陽エネルギーがもたらす海の蒸発が地球を暴走温室状態という、別の均衡へと移行させる)。また、100年前の価値観と今の価値観が、異なる均衡点にあることはあまり議論を必要としないだろうと思う。

 

均衡を成立させている条件とほぼ同義かもしれないが、均衡の移行をもたらす要因を知り、別の均衡の可能性を知ることも大切だと思う。

安定度が高い均衡も、低い均衡もあると思うけれど、すべての均衡はいつか移行する。安心し、かつ、いきいきと日々を過ごすためには、自分にとって基盤となる均衡の安定度を見極めつつ、自分がワクワクするような次の均衡の可能性を探り続けることが大切なのかなと思う。