怖さ

何かを怖いと感じる時、それは何故だろうと思う。特に人というものを怖いと思う時に、僕は何に対して、それを感じているのだろうかと思う。

 

なんとなく、わからないことが怖いような気がするけれど、何がわからないのかは良くわからない。前提として、怖いと感じるのは自分が関心を持っている相手のような気はしていて、僕はその人と良好な関係を築きたいと思っている気がする。そういう人の戸惑っている様子、浮かない顔、不自然だと感じる無言は怖い気がする。

変数、具体的には人の数が増えると不安が増すように思う。人は均衡を求めていて、どこに落ち着くのかがわからない、新しい均衡に移行しなくてはならない、そういう状況は不安を生じさせる。相手が何を求めているのか、ということよりも、そもそも自分は何を求めているのかの方が大切だと思うのだけれど、どうしても他人の目を気にしてしまう。他人の目は常に自分の目で、そんなものは無いと思っていたとしても。

 

僕が怖いと思っている時に、相手も怖いと思っているのかもしれない。だからこそ、自分が大切にしているものを認識して、なるべくしっかりと今を生きることが大切だと思う。怖さというのは伝搬して、相互に大きくなってしまう。疑心に暗鬼が生じると、簡単には戻ることができない。

怖くて、不安だと、頑なになってしまう。頑なさは人を孤独にし、孤独を忘れるためにさらに人は頑なになる。境界がなければ生きていけないが、人はまた、境界によって死ぬものだと思う。