智慧と愛

仏陀の精神、この仏教の真髄を成すものはなんであるかというと、「般若(プラジュニャ)」と「大悲(カルーナ)」である、と鈴木大拙は『禅と日本文化』の中で説明している。 その本質を捉えることは困難であるという前提の下で、ものす...

認知的柔軟性

子どもにとって、洋服と、ワンピースと、パジャマは、別のものらしい。考えてみれば、当たり前なのだが、1つ1つの対象を記憶していく際に、それに複数の名前があるという概念は、なかなかに複雑なのだろうと思う。   「わ...

間違えること

友人から、最近の塾の中には、勉強はコンピュータが指導するものであり、少なくともアルバイト社員は、勉強について口出ししてはいけないという仕組みを持つものがあるという話を聞いた。 タブレットに向き合って問題を解き、回答に応じ...

政治学

博士課程で政治学を専攻している友人が、「効率の追求も、幸福の追求もできない政治学を探究していくことの難しさを感じる」と言っていたことが、なんとなく心に残っている。   「政治学」とは、政治を対象とする学問分野ら...

知らない範囲

数年前、人工知能というのか、機械学習というのか、ビックデータというのか、単なるコンピューティングというのか、そういうものが流行り始めた頃、プログラムにいろいろなことを考えさせることがブームになった。 その1つに、「コンピ...

誰かにしかできないこと

能力から鑑みたときに、僕にしかできないことはない。「僕」に限らず、ほとんどの人間はそうだろうと思う。たいていのことは、(そのモノゴトに対して、一定の適切さを持つ範囲内であれば)誰にでもできるし、誰がやっても良い。 日々の...

不完全

人間は不完全だ、と言われることがある。生きているだけで、完全である、という人もいる。本当は、そんなことはどうでもよいのかもしれないが、少なくとも、そういう議論はある。   惑星や宇宙の勉強をしていた頃、あるいは...

三原色

色について調べている中で、なぜ原色(錐体細胞のバリエーション)が3つなのかも、奥が深いなと思った。 脊椎動物の進化でいうと、魚類・両生類・爬虫類・鳥類は色覚の基礎となる錐体細胞を4種類、持っている種が多いそう。つまり(人...

RGBとCMYK

何かが赤く見えるというのは、赤(と人間が呼んでいる)色の波長の光が目に入ってきていて、その光に対して、網膜の中心部付近に分布する錐体細胞が反応して、脳に信号が送られた状態である。赤錐体は、赤色の波長の光に強く反応するタン...

喪失感

「なくてはならないもの」というものは、世の中には無いと思っているけれど、愛着であったり、執着であったりといったものはあると思っている。 あるときには気付かないけれど、無くなったときにその存在を感じるものは、愛着もしくは執...